先日ようやく配信スタートしたChapter1の解説と反省をしたいと思います。
まず冒頭のテロップで第五福竜丸について触れていますがこれは『焼津』と『ゴジラ』を扱う際には絶対に必要だと思ったので入れました。
事件の半年後に亡くなられた久保山氏は焼津出身、僕の住む学区内にお墓もあります。
子供の頃から第五福竜丸事件に関しては学校で詳しく習うので焼津人ならば誰もが知っている悲劇です。
そして初代ゴジラも冒頭に少し登場します。
ゴジラシリーズはシリーズと言ってもよく原点回帰するのでそれぞれの世界観が全く異なっているのも特徴のひとつです。特にミレニアム以降は顕著です。
今回の映画もそれに倣ってゴジラ(54)以降のシリーズとは全く関係の無い新たな世界観のもとで展開する事をはっきりと示す為に初代ゴジラが東京を襲うシーンと共にテロップで説明しました。
当初はゴジラ×メガギラス(00)のように現行モデルのゴジラを使ってゴジラ(54)のシーンを再現しようと考えましたが紛らわしくなるのでやめました。
冒頭に過去の事例などをテロップで紹介するのは映画サイレン(06)やSPEC~天(12)(共に堤幸彦監督作品)を少し意識しています。
嵐が吹き荒れる海で漁船がゴジラに襲われるシーンはゴジラ(84)やGODZILLA(98)やゴジラ2000ミレニアム(襲うシーン自体は無い)にあるように定番だと思い、取り入れました。
撮影場所が自宅の風呂場なので晴れ渡る広大な海のシーンの撮影が困難なのも大きな理由ですが。
薄暗くて雨や霧に覆われた海のシーンは誤魔化しが効いて良かったです。
漁船やヘリがゴジラにより襲撃を逃れたのは話の流れ上何となくです。
オープニングタイトルはGMKを意識しています。
嵐が吹き荒れる街を進むゴジラは×メカゴジラ(02)のアバンタイトルを意識しています。
ひたすらゴジラが歩くだけのシーンが続きますがゴジラのメインテーマを長々と使えるシーンと言えばこうやって歩いているシーンくらいなので長々とやってみました。
平成ゴジラシリーズといえば日本各地の名所を怪獣が歩く合成カットが印象的なので少し意識しました。
今後はここまで長々と歩くシーンはありません。
小川港でのUSAゴジラとの戦いはファイナルウォーズを意識しています。
本家ゴジラにあっさり負けるマグロ好きの華奢な怪獣という辺りを。
使用しているジオラマが室内から易々と外に運べないので室内での撮影になりました。
そのせいで画面が暗くなってしまい観辛かったと思います。
編集中にこれはどのシーンなのかと困りました。ハイスピード撮影をすると蛍光灯が点滅しているように映ってしまうのですが雷を表現しているみたいで良いかな…とも思います。
その後のゴジラが漁港エリアを歩くシーンはGMKで実際にゴジラが現れた場所です。
このブログでも度々取り上げていますがこのエリアは漁業関係者ばかりしかいないので一般の車が入って写真を撮っていると訝しげな目で見られます。↓
その後のメカゴジラとの対決シーンはもっと怪獣同士をガシガシとぶつけて戦わせれば良かったと今更ながら後悔していますがいずれ追撮して完全版を作る予定なのでその時にそういったシーンを追加できれば…と考えています。
最後のシーンでゴジラが向かっていたのが次回の戦いの舞台である本町周辺エリアです。
今回のチャプターでは薄暗い画面でゴジラが歩くシーンが多い少し退屈な感じだったかもしれませんが次回からは昼間の戦いになるし登場怪獣も増えるので少しずつ盛り上がっていくと思います。
ガメラも次回の冒頭から登場します。今回のラストにガメラの登場シーンを挿入しようか迷いましたが一戦終わり雨が上がりゴジラが咆哮してそのまま終わった方が納まりが良いかと思ってやめておきました。
さてここからはメイキングです。
これまでの記事で今回のチャプターのほとんどのシーンのメイキングを書いてしまったのでほんの少しだけですが…
まずは冒頭の初代ゴジラのシーン。
これはゴジラ名鑑やゴジラ全集を使用しました。↓
議事堂のシーンのミニチュアは2種類持っているのでアングルによって使い分けています。
背景の揺らめく炎は必須なのですがどうやって撮影しようか悩んでいましたがティッシュペーパーを千切って土台に張り付けて裏から扇風機の風を当てて再現しました。↓
非常に古典的な方法です。モノクロ画面のお陰でどうにか誤魔化せたかと思います。
東京湾でゴジラが死ぬシーンは洗面器に水を張って下からシャワーを当てて気泡を出して再現しました。
ハイスピード撮影して編集でさらに再生速度を遅らせてあります。↓
ゴジラの熱戦を吐くシーンは花火をゴジラの人形に直接貼り付けて撮影しました。↓
花火をゴジラの身体に隠すように貼り付けます。
この撮影でゴジラは半身に大やけどを負いました。↓
あまり目立ちませんが。
ラストの雨が上がるシーンの撮影には悩みました。
どうしたら雨が上がったように見えるのか…
そこで雲の影から太陽が覗いている写真を撮ってからエフェクトで雲を追加してその疑似雲が退くようにして晴れる瞬間を再現しました。
雲の切れ間から光が差すエンジェルラダー、ヤコブの梯子と呼ばれる現象のシーンもどうにか入れたくて無料フリー素材をネットで探しましたが見つからず諦めようと思っていた時にたまたま夕方、仕事帰りに空を見上げたら綺麗に見えたので急いで家に帰ってデジカメで撮影しました。↓
ネット上の写真素材ほど綺麗ではないですが自然な写真が撮れて良かったです。
あと前回のメイキング記事で困っていると言っていた効果音の件ですが無事に解決しました。
パソコンにつなぐマイクで音を録るのではなくデジカメで音だけ録ってパソコンに入れました。
マイクよりも断然しっかりと音が録れました。
効果音を重複させる方法も分かりました。オーバーレイトラックに音だけ入れる事が出来る事がわかりました。
これで効果音の問題は解決です。良かったです。
以上、Chapter1に関する解説、メイキング記事でした。